こんな人におすすめ
・メンタルの弱さをなんとかしたい人
・メンタル強化法を試したけどうまくいかなかった人
・自分の弱さを活かしてメンタル強化をしたい人
・内向的な性格の人
・DaiGoさんの話に興味がある人
目次
自分の弱さが自分を強くする
この本の大前提は、「自分の弱さを活かす」ことです。
メンタルの弱い人に「がんばれ」「負けるな」「強くなれ」と言っても無理な話。それができていれば、メンタルの弱さで悩むはずがありません。
この本ではそんな無理なことはせず、メンタルが弱いからこそ持っている、以下の要素をメンタル強化に活かしてしまおうというものです。
①ストレス
②失敗と挫折
③内向的な性格
どの要素もネガティブなものばかりで、これらがなくなればメンタルが強くなるのにと思いませんか。
でも、この本では、これらを消し去ろうとするのではなく、これらを材料にしてメンタル強化をする方法を提案しています。
以下では、それぞれの活かし方のポイントをご紹介します。
ストレスを活かす
ストレスを活かすうえで、大事なことは「マインドセット」だそうです。
「ストレスは嫌だ」と思うのではなく、「ストレスは味方だ」と思うのです。
ストレスには「良いストレス」と「悪いストレス」があると言われています。
「悪いストレス」は、辛いことに耐えなければならない、嫌なことをやらなければならないといった心理的負担です。
一方で「良いストレス」とは、新しいことに挑戦する時の緊張感や、目標を達成しようとするときの意欲など。心理的な負荷ではあるものの、自分を成長させていく刺激となるものです。
「病は気から」と言うように、気持ちが心身に与える影響は大きいもの。ストレスは悪いと思えば悪影響が出る可能性がありますが、ストレスは良いものだ、自分に必要なものだと思えれば良い影響を与えてくれるのです。
まずは、ストレスは活かせる、味方にできると考えること。その上で、自分にストレスがかかっている事実を受けとめること。
引用元:『ストレスを操る メンタル強化術』
「ストレスは悪いもの」から「ストレスは良いもの」へと認識を変えていくために、DaiGoさんは「書く」ことを勧めています。
人は一日に600万回思考していると言われています。その中で、過去を振り返って後悔したり、未来のことを考えて不安になるのも人の特徴。後悔と不安で悪いストレスが溜まっていきます。
そういった思考に捕らわれないためには、紙に書き出して可視化すること。
これはもう終わったこと。
これは今考える必要のないこと。
書くことで徐々に思考が整理されていきます。
そして、書いたものをしばらくしてから見直すことで思考は書き換えられます。
本当にどうでもいいことが書いてあったりして、「なんだ、こんなつまらないことで悩んでいたのか。1年たったらどうでもよくなるんだな。じゃあ今のこの悩みも大したことないだろう」と思えて、気が楽になるのです。
引用元:『ストレスを操る メンタル強化術』p31
自分を苦しめている「悪いストレス」は、実は大したことではないと気づくことで、ストレス耐性がついていくのです。
また、自身が乗り越えてきた体験や感想を書くのも効果的です。「あんなに辛かったけれど乗り越えられた」という事実を自分で再認識することで「自分は変われる」と思え、自分の考え方やマインドセットを変えていくことができます。
失敗と挫折を活かす
失敗や挫折は恐いものです。
失敗するんじゃないか、うまくいかないんじゃないかと考えるのは当然です。
このような恐れは、メンタルが弱い人だけが感じるのでしょうか。
いいえ、そうではありません。
今どんなに成功している人も、どんなにすごいことに挑戦している人も、失敗を恐れてない人はいないのです。
DaiGoさんは、こう書いています。
厳しい現実から逃げれば逃げるほど、あとになって手に負えないような難題になって戻ってくる。ならば、今挑戦して、たとえ失敗しても多くを学んだ方がいい。
そのことがわかっているから、彼らは「今やる」という選択を取っているのです。
引用元:『ストレスを操る メンタル強化術』
メンタルが強い人には失敗や挫折への恐れがないのではなく、自分を奮い立たせて動いているのです。
失敗を恐れているということは、その背後には挑戦したいという気持ちがあるのだと思います。そして、恐れを伴いながらも挑戦した先には、成し遂げたい目標や理想の自分の姿がある。だから、やるのです。
そうは言っても、恐いものは恐い。そんな勇気はない…という人に向けて、更にこんなことも書かれていました。
ストレスを避けた場合の代償を想像し、「よりストレスの少ないほうを選ぶ」という人間の「弱さ」をうまく利用して、挑戦する意欲を引き出すのです。
引用元:『ストレスを操る メンタル強化術』p157
このままにしておくともっと動けなくなる、もっと怖くなる。だったら今やったほうがましではないか。
そんなふうに、今動くことや挑戦することの方が、むしろ失敗への恐怖も少ないんだと考えてみようということです。
内向的性格を活かす
内向的な人は、人と会うことやコミュニケーションをとることへの不安があるので、メンタルを強くするのはより困難かもしれません。
私自身も内向的なのでよくわかります。
でも、実はDaiGoさんも内向的な性格だそうで、内向的だからこそのメンタル強化法を提案しています。
内向的な人は人に会うことが苦手な人が多いのですが、動物行動学によると「ホーム」では動物はすごい強さを発揮するのだそうです。
それは、人間も同じ。
わかりやすい例としては、スポーツの試合はホームでのほうが成果がでやすいですよね。
DaiGoさんは、それを個人の生活にも取り入れるといいと言っています。
例えば、誰かと合う時には自分のホームに呼ぶ。
自宅でということではなく、馴染みのカフェや行きつけの店を作っておいて、そこに呼ぶと内向的な人でも力を発揮できるそうです。
また、そこではお店の人に「いつもので!」と言うなどして、馴染みの場所であることをアピールすると更にいいと。
そうすると、「ここが私のホームなんだ」と安心感が生まれますし、逆に相手には「ホームにお邪魔します」という緊張感が生まれるのだそうです。
DaiGoさんの方法には、すべて研究による裏付けがありますが、この「ホーム」についてもテネシー大学で実験が行われていて、効果は確認されているそうです。
さいごに
メンタルが弱い人が弱点を活かしてメンタルを強化する方法について書かれたDaiGoさんの本をご紹介しました。
人間の行動を学びつくしたメンタリストDaiGoさんの本は、研究や実験結果に基づいた裏付けをもとに解説されているので納得感がありました。
メンタルの弱い人に「がんばれ」「気合いだ」と言われても無理な話。
自分の弱さを知り、それを活かすことでメンタルを強化ができるこの本は、メンタル弱者にとって多くの気付きがあると思います。
ぜひ一度読んでみてください。